FX手法の検証記事第1回は、色んな本やサイトで紹介されている単純移動平均線(SMA)を使ったゴールデンクロス(デッドクロス)の検証です。
教科書の1ページ目に出てくるような手法で実際に勝てるのでしょうか?
単純移動平均線(SMA)とは?
単純移動平均線(SMA)は一定期間(設定した数値)のローソク足分の平均価格を算出し、それを結んだグラフです。
FXのチャートによってはデフォルトで表示されていることも多く、かなり利用者の多いインジケーターではないでしょうか。
単純移動平均線(SMA)は色々な使い方がありますが、最も基本的な使い方としては、
- 線が上を向いている時は上昇トレンド
- 線が下を向いている時は下降トレンド
というようにトレンドを見るのに使われます。
ゴールデンクロス、デッドクロスとは?
単純移動平均線(SMA)を用いたトレード手法です。
事前準備として、短期(期間の短い線)と長期(期間の長い線)の2本以上の単純移動平均線(SMA)を表示します。
売買ルールは単純明快です。
- 短期線が長期線をクロスして上抜いた時をゴールデンクロスと呼び、ロング(買い)する
- 短期線が長期線を下抜いた時をデッドクロスと呼び、ショート(売り)する
これだけ。
この手法はトレンドに沿って売買することが意識されており、しっかり上げ下げする相場に強い反面、値動きの少ないレンジ相場などではゴールデンクロス・デッドクロスが連続し、機能しにくいという弱点もあります。
単純移動平均線(SMA)のクロス検証のルール
使用インジケーター
単純移動平均線(SMA)を2本表示。
今回は特に大きな意味はありませんが、5(短期)、25(長期)に設定しました。
ルール
基本ルール
- 資金10万円スタート
- 取引枚数は変更せず、1万通貨固定
- 2021年1月~12月の1年間のGBP/JPYの1時間足で検証(デイトレ~スイングくらいのイメージ)
トレードルール
- ゴールデン(デッド)クロスが発生し、長期線を短期線がしっかり上(下)に越えた時点でエントリー(重なっている時点ではエントリーしない)
- リスク・リワード1:2にするため、損切りを直近安値(高値)に設定した後、その2倍の値幅をリミットに設定
- トレードの間に再度クロスが発生した場合も決済はせず、両建てでトレード(今回の検証では最大で5つほどポジションを持つこともありました)
単純移動平均線(SMA)のクロス検証の結果
トレード回数:264回(ロング:130回 ショート:134回)
勝率:40%(勝ち:106回、負け158回)
平均獲得:115.5pips(11,550円)
平均損失:54.8pips(5,482円)
年間損益:+3582.0pips(+358,200円)
月別資産推移グラフ
単純移動平均線(SMA)のクロス検証のまとめと反省
意外にも勝てたし、300%以上の資産増!
勝率の低さはちょっと気になりますが、リスク:リワード1:2にすれば、しっかり勝てる手法だということが分かりました。
教科書手法侮りがたし…。
ただ、最初の資金が少ない時に連敗するときついかもしれません。
最初の数回の取引で上手く波に乗れるかがカギとなりそうです。
また、今回の検証では4月・9月・12月にマイナスとなっており、必ず毎月プラスになる手法ではありません。
年によってはもっとマイナス月が多くなる可能性もあります。
コメント