FX手法の検証記事第13回。
今回はダウ理論とRSIを利用した押し目買い手法の検証をしてみたいと思います。
ダウ理論・RSIを利用した押し目買い手法とは?
ダウ理論とは?
ダウ理論とはチャールズ・ダウという方が提唱したものでテクニカル分析の源流ともいえる考え方です。
元々株式市場の見方を提唱した理論ですが、現在はFXでもこの理論を応用して分析している人が多くいます。
ダウ理論の中身は以下の6つが大きな柱となっています。
- 相場は全ての事象を織り込む
- トレンドは長期・中期・短期の3種類がある
- トレンドには先行期・追随期・利食い期の3つの段階がある
- トレンドは明確な反転シグナルがあるまで持続する
- 価格やトレンドは出来高が伴っているか確認する必要がある
- トレンドは複数の指標によって確認する必要がある
FXにおいて特に重要なのが、上の4つです。
また、トレンドの特徴については上図のように解説されています。
今回はこのトレンドの特徴を活かした手法を使っていきます。
RSIとは?
RSIは一定期間の値上がり・値下がり幅によって、買われすぎ・売られすぎのサインを出すオシレーター指標の1つです。
およそ30以上が売られすぎサイン、70以上が買われすぎサインとされています。
30以下でロング、70以上でショートが基本ですが、大きなトレンドでこのような逆張りをしてしまうと痛い目を見るので、他の指標やサインと組み合わせて使うのがオススメです。
また、MACDのようにダイバージェンスが発生する(価格が上がり続けているのでRSIは下がる、価格が下がり続けているのにRSIは上がる)ことがあり、これはトレンド転換が近いサインとされています。
ダウ理論・RSIを利用した押し目買い手法とは?
今回使用する手法は、ダウ理論の「上げ相場では安値・高値を切り上げる(下げ相場では安値・高値を切り下げる」というトレンドの特徴と、RSIを組み合わせたものです。
具体的な方法としては、まず安値・高値の切り上げor切り下げを確認して、今の相場が上昇or下降トレンドであることを確認します(レンジの場合は様子見です)。
そしてトレンドと逆方向に行ったタイミングで、RSIが30以下or70以上になったら、トレンド方向へエントリー。
損切りは1つ前の波の安値(高値)に設定します(ダウ理論通りならそこまでは戻らないはずなので)。
利益確定は、ダウ理論によるトレンド転換が起こったタイミングで行います。
場合によってはマイナスで損切りになることもありますが、これは素早い損切りができたということであきらめましょう。
狙い通り、トレンド相場に強い手法ですが、ダウ理論のような理想的な動きをしない相場ではダマシで損切り・利益確定になることもあり、上手く相場に乗れないこともしばしばあります。
ダウ理論・RSIを利用した押し目買い手法のルール
使用インジケーター
RSI(期間14)
ルール
基本ルール
- 資金10万円スタート
- 取引枚数は変更せず、1万通貨固定
- 2017年8月~2018年7月の1年間のGBP/JPYの1時間足で検証(スイングくらいのイメージ)
トレードルール
- 安値・高値の切り上がり(切り下がり)が発生しているのを確認後、RSI30以下の押し(RSI70以上の戻り)が来た時にエントリー
- 損切りは1つ前の波の安値(高値)に設定
- 利益確定は安値・高値の切り上がり(切り下がり)が崩れた時に行う
- 持てるポジションは1度に1つまで
ダウ理論・RSIを利用した押し目買い手法の検証結果
トレード回数:25回(ロング:13回 ショート:12回)
勝率:52%(勝ち:13回、負け12回)
平均獲得:237.9pips(23,789円)
平均損失:100.0pips(10,000円)
年間損益:+1892.5pips(+189.250円)
週別資産推移グラフ
ダウ理論・RSIを利用した押し目買い手法のまとめと反省
結果としては1,892.5pipsの勝利。
勝率も高めで、我慢できれば結構利を伸ばすことができます。
最も手法ががっつりはまったところでは、1発で900pipsというなかなかない勝ち方をしていました。
多くの場面で大きいトレンドを狙ったため、トレード回数が少なくなってしまったのが反省点です。
もっと小さいトレンドを狙った方がトレード回数は増やせたかもしれません。
ただ、実際のトレードにおいてトレード回数を増やす=勝てる可能性が高くなるわけでも、より多くのpipsが稼げるわけでもないのがなかなか難しいところですが…。
実際、小さめのトレンドに乗っかった時には、ノイズが大きく、勝率が低くなる傾向にありました。
基本的に大きいトレンドの方が分かりやすいので、大きいトレンドをこの手法で狙いつつ、短期は別の手法で取引する、というような使い方が良いと思います。
この手法は様子見やポジションを持ったまま待つ時間が長くなりやすいので、専業の方よりも仕事をしながら時々相場をチェックする、というような方に向いているかもしれません。
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