FX手法の検証記事第10回。
今回はボリンジャーバンドのバンドウォークとレンジブレイクをサインにしてエントリーするトレンドフォロー手法を検証してみました。
ボリンジャーバンド+レンジブレイク手法とは?
ボリンジャーバンドは第2回の検証でも使用したインジケーターです。
この時はσ2ラインまで行ったら、もう上がらない(下がらない)だろうと逆方向のポジションを取るという戦略でしたが、結果は惨敗…。
今回は第2回検証とは正反対と言っても良い使い方をします。
以前の記事でも書いた通り、ボリンジャーバンドの±σ2ラインを超えるというのは、確率的に4.6%の異常事態が起こっている状況と考えます。
「ここまで異常に上がった(下がった)んだから、もう戻るだろう」というのが逆張りの発想ですが、「ここまでの異常な上がり(下がり)はトレンド発生のサイン」と見る順張りの発想もできないことはありません。
実際、ボリンジャーバンドには大きく値が動く際に、σ2のバンドに沿うように上がり(下がり)続けるという「バンドウォーク」という現象が知られています。
今回の検証ではこのバンドウォークの発生=値が大きく動くと考えてエントリーする手法を用いることにします。
ただ、バンドウォークだけだと騙しも多いため、もう1つ条件を付け加えます。
それがレンジブレイクです。
つまり、レンジをブレイクしていて、尚且つバンドウォークが発生した時に順張りでエントリーするのが、今回の「ボリンジャーバンド+レンジブレイク手法」となります。
今回の検証では利益確定のタイミングを、σ1のバンドを実線で割った時に設定しました。
当然大きく動くトレンド相場に強く、レンジ相場に弱い手法となります。
意外とエントリーできるタイミングは多く、上手くはまれば100pips以上取れることもありますが、一方でトレンド相場でも上下に大きく動くような展開だと、あまり大きな値幅が取れない弱点も…。
ボリンジャーバンド+レンジブレイク手法のルール
使用インジケーター
ボリンジャーバンド(期間20、σ1、2)
ルール
基本ルール
- 資金10万円スタート
- 取引枚数は変更せず、1万通貨固定
- 2017年4月~2018年3月の1年間のGBP/JPYの1時間足で検証(デイトレ~スイングくらいのイメージ)
トレードルール
- ボリンジャーバンドのσ2を実線で上抜け、尚且つレンジブレイクしていたら、順張りでエントリー
- 損切りはバンドウォークが始まる前の安値(高値)に設定
- ボリンジャーバンドのσ1を実線で下抜けたら利益確定(または損切り)
- 持てるポジションは1度に1つだけ
ボリンジャーバンド+レンジブレイク手法の検証結果
トレード回数:219回(ロング:118回 ショート:101回)
勝率:41%(勝ち:89回、負け130回)
平均獲得:52.0pips(5,198円)
平均損失:31.7pips(3,167円)
年間損益:+508.5pips(+50,850円)
月別資産推移グラフ
ボリンジャーバンド+レンジブレイク手法のまとめと反省
結果としては508.5pipsの勝利。
一度も10万円を下回ることなく、安定と言えば安定したトレードでした。
一方で、取引回数が多いにも関わらず、びっくりするほど資産が増えていかないという問題が露呈。
原因は、σ1を割った際の強制決済です。
せっかくトレンドに乗れてもσ1を割れた時点で決済するため、ほとんど利が乗らないまま決済になるパターンが多く、2度目の吹き上がりに乗れないばかりか、その後に乗っかって負けるというパターンが多々ありました。
これによってリスクリワードが1:2以下になり、利益が積み重なりにくい手法となってしまいました。
良かった点としてはエントリーポイントが多い点、そして損切りが素早くできる点です。
トレンドに上手く乗っかれた時の利益確定ポイントさえ修正すれば、そこそこやれる手法になるかもしれません。
また、バンドウォークという一瞬の輝きに賭ける手法なことから、1時間足よりも15分足、5分足などのデイトレ~スキャルピングの方が向いている手法とかもしれないと思いました。
短期足でも使えるかどうか、また検証してみたいと思います。
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